メガバンク3行・総合商社3社の取締役について再任反対推奨
マーケット・フォース、 “Governance Wakeup Call (ガバナンス新風) ”を実施
2026年4月22日(水)
マーケット・フォース(Market Forces)
環境金融アクティビストのマーケット・フォースは日本の3メガバンクおよび大手総合商社社に対し、2026年の定時株主総会において、一部の再任予定の取締役に反対票を投じることを推奨する見解を主要な機関投資家に示しました。
対象企業は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)、三菱商事、三井物産、住友商事です。対象となる取締役は上記に示した取締役会会長、指名委員会、監査委員会のトップに相当する人物を予定しています。
マーケット・フォースは対象となる銀行および総合商社の取締役会のガバナンスの実効性に関する分析を通じて、過去数年に渡り、企業との対話を行ってきました。我々は、気候変動に伴うシステミックリスク、物理的リスクおよび移行リスク、法規制および訴訟リスクの高まり、人権や環境問題に関連する事業リスク、ならびに資本配分の妥当性といった複合的な要素をリスクとして捉えています。
直接の対話や株主提案を通して、企業による一定の進展は見られたものの、本質的なリスクは依然、解消されていません。そこで私たちは今年戦略を次のフェーズへと進めます。本キャンペーンの焦点は、取締役会が企業価値に影響を与える重大リスクを適切に認識し、監督し、管理しているかというガバナンスの根幹にあります。
昨今のホルムズ海峡封鎖に象徴されるように、LNG事業をはじめとする資源関連事業の投融資に関して、地政学的リスクやサプライチェーンの不安定性、価格変動の影響など、従来以上に不確実性が高まっています。こうした環境下では、これらの事業に投融資を行う企業や金融機関には長期的な企業価値向上の観点から取締役会による、より厳格なリスク評価および資本配分の監督が求められます。
銀行および総合商社の双方において、これらのリスクが取締役会において十分に議論・監督されているかについては、構造的な課題が見受けられます。具体的には、リスク情報の取締役会への報告体制やエスカレーションの透明性、監査・監督機能の実効性、ならびに外部環境の変化に対応するための専門性や独立性の確保といった点で改善の余地があると考えられます。
近年、国内外で気候変動や人権リスクに関連して企業のみならず、取締役個人の責任を問う訴訟や規制の動きが広がっています。このような環境の変化を踏まえれば、取締役会の監督機能の実効性は世界各国でこれまで以上に重要な経営課題となっています。さらにこうした傾向は、昨年、国際司法裁判所(ICJ)の勧告的決議において、国家による民間セクターの規制を含む、気候システムを保護する法的義務を明確にして以来、今後益々強まると予想されます。
このような昨今の状況を受け、マーケット・フォースは、企業に対して実効的な変化を促すために例年行ってきた追加的な情報開示を求める株主提案ではなく、取締役の監督責任そのものを評価する手段として、再任議案に対する反対票を推奨する見解を示すことがより直接的かつ効果的であると判断しました。
本要請は企業との対立を目的としたものではありません。議決権行使を通じて、企業がより適切にリスクに対処できる体制の構築を促すことを狙いとしています。マーケット・フォースは今後も投資家と連携しながら、日本企業における取締役会の説明責任およびガバナンスの実効性に関する議論を一層深化させる契機となるよう、これら企業の長期的な企業価値の向上に資するガバナンスの強化を促していきます。
マーケット・フォース コメント:
「気候変動の影響の深刻化による災害の同時多発や、複合リスクの連鎖的発現等を起因としたシステミックリスクの懸念が高まる中、メガバンクの取締役会はリスク監督の責任を十分に果たせていません。こうしたリスクが発現すれば、銀行のポートフォリオ全体に悪影響を与えるだけでなく、経済社会全体に深刻な悪影響をもたらすため、訴訟や規制リスク等にも発展しかねません。また、気候リスクに限らず、昨今の銀行の不正行為の監督不行届など、取締役会がマテリアルな財務リスクを適切に管理・監督できているのか疑問が残ります。各社の持続的な企業価値の向上、並びに経済社会の安定を図るためにも、今こそ投資家は議決権行使を通じて、責任ある取締役の再任に反対票を投じることを通じて、実効性あるガバナンス改革に向けた新風を各行の取締役会に吹き込むべきです。」 (メガバンク3行について)
マーケット・フォース, ジャパン・エネルギー・ファイナンス・キャンペーナー 渡辺瑛莉
「総合商社らによる継続的な化石燃料事業の拡大や、人権侵害事案への関与、その情報開示・報告の不足を受け、ガバナンスの実効性に対する強い懸念を表明します。経営環境が急速かつ複雑に変化する中、同社が、取締役会を中心とした実効性あるガバナンス体制を構築することの重要性は一層高まっています。取締役会による高リスク案件の監督や検証の実効性には課題が残り、方針と実装の乖離が顕在化しています。特に当該企業が将来の減損や訴訟リスク、資本コストの上昇といった財務リスクの高まりを適切に認識しているか疑問です。取締役や監査役等による監督・監査機能の一層の高度化とともに、投資家に対する透明性の高い情報開示を通じて、ガバナンスの実効性向上と持続的な企業価値の確保を求めます。」(総合商社について)
マーケット・フォース, ジャパン・エネルギー・キャンペーナー 布川健太郎
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マーケット・フォース (Market Forces)
Antony Balmain E-mail: contact[@]marketforces.org.au
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